ポーカー(テキサスホールデム)において期待値とは、あるアクションをすることで期待できる利益の値のことを指します。
いきなりポーカーに置き換えると難しいので、「コイントス」を例に解説します。
コインを1回投げ、
表が出ると1点・裏が出ると0点というゲームがあるとします。
このとき、コインを1回投げることで期待できる点数は「1点か0点」です。
しかし、「1点か0点」という答えは数学的ではありません。
コインの表が出る確率は50%、裏が出る確率も50%です。
つまり1点の確率は50%、0点の確率は50%ということです。
ということは、
コインを1回投げることで期待できる点数は、
1点×50%+0点×50%=0.5点
期待値は0.5点ということです。
ポーカーにおける期待値の使い方
まずは勝率を仮定する
先述したコイントスでは、確率は50%と簡単に分かりますが、ポーカーでは相手のハンドが分からないため勝率を仮定しなければなりません。
勝率の考え方は別の記事で解説しておりますので、分からない方はぜひご覧ください。
期待値を使ったプレイの例
例として、
あなたが「♤7♤6」を持っていて、ボードは「♤4♤5♢A」、ポットには「100ドル」あり、相手が「50ドル」のベットをしてきたとします。
相手のハンドは、それまでのプレイを踏まえて「99~AA」のオーバーペアと仮定したとします。
期待値を求めると、このシチュエーションでどのアクションが最善か判断することができます。
今回は「コール」「150にレイズ」「フォールド」の3択の中から最善を探します。
あなたは現状では負けています。
しかし、「♤2,♤3,♤8,♤9,♤T,♤J,♤Q,♤K,♤A,♡3,♢3,♧3,♡8,♢8,♧8」の15枚のうち1枚でも出れば逆転します。
つまりこのシチュエーションでの勝率は、約「15枚 × 4 = 60%」です。
・コールする場合
勝てば「ポットの100ドル+相手の50ドル+あなたの50ドル=200ドル」
負ければ「-50ドル」
コールすることでの期待値は、
200ドル×60%+(-50ドル×40%)=100ドル
・150ドルにレイズする場合
勝てば「ポットの100ドル+相手の150ドル+あなたの150ドル=400ドル」
負ければ「-150ドル」
150ドルにレイズする期待値は、
400ドル×60%+(-150×40%)=180ドル
※ここでは相手がフォールドする確率を無視しているため、そこも含めて考えると期待値はさらに上がるでしょう。
・フォールドする場合
損失はありませんが、勝つこともないので期待値は0です。
上記シチュエーションにおける勝率別の期待値
■ 勝率60%の場合
コール:100ドル
150レイズ:180ドル
フォールド:0ドル
■ 勝率40%の場合
コール:50ドル
150レイズ:70ドル
フォールド:0ドル
■ 勝率30%の場合
コール:25ドル
150レイズ:15ドル
フォールド:0ドル
■ 勝率20%の場合
コール:0ドル
150レイズ:-40ドル
フォールド:0ドル
■ 勝率15%の場合
コール:-12.5ドル
150レイズ:-67.5ドル
フォールド:0ドル